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不妊治療について



治療方針について

一般不妊治療【タイミング療法、人工授精、卵管鏡下卵管形成術(FT)】
初期検査で特に異常が見つからなかった場合は、できるだけ自然に妊娠を目指す治療を行っていきます。タイミングや人工授精までの治療を、一般不妊治療といいます。
タイミング療法
超音波検査で卵胞のサイズを計測し、排卵の時期にあわせて夫婦生活(性交渉)を行って、妊娠を目指す治療です。排卵をたすける薬などを用いる場合もあります。
目安は3-6周期(3-6ヶ月)であり、結果が出ない場合は人工授精へのステップアップを考慮します。
人工授精
人工授精とは、当日に回収した精液を調整し、子宮内に注入する治療です。
目安は3-6周期(3-6ヶ月)であり、結果が出ない場合は高度生殖医療(体外受精、顕微授精)へのステップアップを考慮します。
精液検査で軽度~中度の異常が見つかった場合や、夫婦生活がうまくできない場合(膣内射精困難、勃起不全など)は人工授精から始めることがあります。
人工授精当日に、ご主人さまの精液を回収します。院内(メンズルーム)でも回収可であり、自宅で射精したものをカップに入れて持参でも可です。ただし、その場合は射精後2時間で持参下さい
卵管鏡下卵管形成術(FT)
卵管に原因がある場合でも、自然妊娠を期待できる治療法があります。
卵管は卵子と精子が出会い、受精する場所のため、詰まっていたり狭くなっている場合には通りをよくしてあげる必要があります。
FTにより卵管が開通するのは約90%であり、半年以内の妊娠率は30%といわれています。
静脈麻酔が施されるため、痛みはほとんどなく日帰り手術になります。
また、費用面では保険が適用される可能性もあります。

高度生殖補助医療

体外受精、顕微授精

体外受精や顕微授精、胚移植とは、卵子を取り出し、体外にて精子との受精を成立させた後に胚(受精卵)を培養し、子宮内に戻す治療法です。
科学の進歩により、胚培養や胚凍結の技術が飛躍的に向上しております。十分な数の凍結した胚を確保できれば、2人目、あるいは3人目などの次の妊娠を希望したときに採卵を実施せずとも凍結保存しておいた胚を移植することで妊娠のチャンスが広がります。
治療が有効と考えられる方
卵管不妊 卵管狭窄、卵管閉塞などの卵管異常によって、精子と卵子が出会うチャンスが減少するため妊娠に至らない
男性不妊 精液検査にて異常が見つかり、妊娠に至らない
免疫性不妊 女性側に抗精子抗体が見つかり、精子の運動低下や受精障害などで妊娠に至らない
原因不明不妊 初期検査で異常が見つからないが、妊娠に至らない
子宮内膜症 子宮腺筋症やチョコレート嚢胞が原因で妊娠に至らない

治療の流れ

01調節卵巣刺激
卵胞(卵子の入った袋)を育てる薬や注射(排卵誘発剤)を使用していき、いいタイミングを見計らって卵子を回収します(採卵)。
02採卵
経腟エコーで観察しながら、卵胞を穿刺し、卵胞液と一緒に回収します。
採卵時は、麻酔(局所麻酔、静脈麻酔)を使用することは可能です。
03媒精(体外受精、顕微授精)
媒精は、卵子の中に直接1個の精子を注入し授精させる方法です。基本的に受精方法は、精液所見によって決定します。
体外受精を行ってから4-5時間経過しても精子の進入が確認できず受精兆候が見られない場合、受精を助ける意味で追加の顕微授精を行う場合があります。
04胚培養
胚(受精卵)を培養庫の中で最大6日間培養していきます。培養庫は子宮内と同じ環境になっており、胚に極力負担がかからない状態にしています。
05胚凍結
受精3日目の初期胚、および受精5-6日目の胚盤胞で凍結していきます。
新鮮胚移植の場合は、凍結不要です。
06胚移植
凍結された胚(初期胚、または胚盤胞)を融解し、子宮内に戻します。
方法として、新鮮胚移植と凍結融解胚移植があります。
新鮮胚移植
採卵して獲得した卵子を受精・培養し、できた胚を凍結せずにそのままの流れで移植する方法
凍結融解胚移植
採卵して獲得した卵子を受精・培養し、できた胚を一旦凍結する。
そして月経が来てから、一から子宮の状態を整えてから胚融解し、移植する方法
近年、凍結保存技術の向上により、凍結融解胚移植が増加しています。
理由としては、新鮮胚移植に比べて妊娠率が高いこと、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)などの合併症の予防、周産期リスクの低下などが挙げられます。

着床障害

体外受精や顕微授精でできた胚を移植しても、繰り返しうまくいかない場合に原因検索していきます。着床の過程は複雑であり、原因を究明するのは困難ですが、以下の検査を当院では行うことができます。個別に必要と思われる検査は提案させていただいております。
またご自身でやってみたいと希望する検査がありましたら、ご相談下さい。
※すべて自費になります
ビタミンD
胚の着床とビタミンDは相関関係と考えられており、流産率の低下にも関係していることが報告されています。サプリメントで補正します。
銅・亜鉛
体内の銅濃度が高いと着床を妨げる可能性があり、妊娠率が低下したとの報告があります。サプリメントで補正します。
慢性子宮内膜炎(BCE)治療
着床の妨げになります。子宮内膜の一部を採取し、CD138免疫染色した上で感染しているか判断します。抗菌剤で治療します。
子宮収縮検査
月経中の子宮は血液を子宮の外に排出させるように収縮し、排卵期は精子を子宮内に送り込むように動きます。着床期には動きが止まり胚を待っている状態です。しかし、この時期に収縮を起こしてしまうと、着床の妨げになることがあります。
動きを緩和する薬で対処します。
ERPeak
子宮内膜が胚を受け入れる期間を【着床の窓】と呼びます。この【着床の窓】は常に開いているわけではなく、一定の短期間しか存在せず、この時期に胚移植しないと着床しません。反復着床不成功例の30%がずれているといわれています。
この結果次第で、胚移植の時期を調整していきます。

不育症

不育症(習慣流産)とは、流早産を繰り返すことをいいます。
流産の原因として、胎児の染色体異常が比較的多いといわれ、胚の成長過程で偶発的に異常が起きると考えられています。たまたま起きてしまった染色体異常ですから、次回妊娠時も同じように染色体異常を起こしてしまうとは限らないです。しかし、母体側に問題がある場合は胎児を受け入れる環境に異常がありますので、検査を行い、対処するのがよいと考えます。
当院でも、検査は可能です。